石鹸シャンプー

ムクロジには日頃より石鹸でシャンプーをされている方も多くご来店頂いております。その中でご来店時に石鹸シャンプーの弊害から髪がベタついている方や石鹸カスが残っている方もいます。実際、石鹸でのシャンプーを断念された方も多いです。

 

そこで、今回は石鹸シャンプーのコツを説明したいと思います。

 

以前のブログに書いているので省略しますが、当然、石鹸シャンプーにもメリット・デメリットがあります。お客様には積極的にお勧めはしていません。

 

まずは石鹸シャンプーのメリット、デメリットをご理解頂いた上でお読み頂ければと思います。

そして、ここから先はお勉強です!

 

石鹸でシャンプーしているときの髪の毛への影響

 

  1. 石鹸は弱アルカリ性でなので、石鹸の泡をつけると髪の毛のキューティクルが開きます。これは髪の毛にとっては良くありません(一般的なパーマ・カラーリングもキューティクルを開いて薬を作用させます)。石鹸はアルカリ域で洗浄力を発揮します。石鹸の泡で頭皮、髪の毛の汚れが落ちます。このとき石鹸の一部が脂肪酸(皮膚にも含まれる成分で弱酸性)に変わります。脂肪酸は水に溶けにくいので、髪の毛の表面に吸着します。
  2. 水道水ですすぐと石鹸が薄められて洗浄力が無くなり、界面活性剤としての効力を失います。水道水に含まれているカルシウムイオンと石鹸が結合して石鹸カスがどんどん出来ます。石鹸カスは水には溶けないので髪の毛の表面に吸着します。髪の毛の表面に吸着していた脂肪酸もカルシウムイオンと結合して石鹸カスになります。石鹸カスの量は水道水の硬度の影響が大きいです(軟水はカルシウムイオンが少ないので石鹸カスはほぼ出来ません)。
  3. すすぎ終えた髪の毛は石鹸カスで覆われています。このままで乾かすと石鹸カスがフケのような感じで髪の毛に残ります。仕上がりもごわごわした感じになります。 
  4. 石鹸で洗った後は頭皮・髪の毛が弱アルカリ性になります。正常な皮膚は3時間ほどで弱酸性まで戻るのですが、髪の毛に関してはそうはいきません。開いてしまったキューティクルを閉じる為に酸性のリンスを使います。この時に酸性リンスの作用で髪の毛の表面の石鹸カスの一部が脂肪酸に変わります(すべての石鹸カスが脂肪酸に変わる訳ではありません)。
  5. しっかりすすがれていないうちに酸リンスをすると石鹸はすべて脂肪酸に変わってしまい、髪の毛がベタベタになります(髪の毛の表面の脂肪酸が多すぎる状態)。髪のダメージが進んでいるとベタベタしやすいです。

 

 

石鹸シャンプーのコツ

 

  1. 石鹸シャンプーは弱アルカリ性で髪の毛に負担がかかるので洗う時間は短めの方が良いです。石鹸でのシャンプーを短く終えるためにシャンプー前のはじめのすすぎは2分以上して下さい。これだけでかなりの汚れが落ちます。                                                     
  2. 石鹸シャンプーのアルカリでキューティクルが開いているので、髪の毛の摩擦を軽減する為にしっかりと泡立てます。泡立ちが悪い時は一度流し、もう一度泡立てます。そして短時間で洗って下さい。                                                        
  3. すすぐ時に石鹸カスが大量に発生するのですすぎ時間も短い方が良いです。すすぎ始める前に髪の毛の石鹸の泡を手で拭うなどして、すすぎ時間を短縮しつつしっかりとすすいで下さい。                                                             
  4. 髪の毛は弱酸性で酸性に長時間傾く事や急激なpHの変化もダメージにつながります。濃度の濃い酸性リンスだからといって酸性リンスの効果が上がる訳ではありません。酸性リンスをつけて時間を置くよりは、アプリケーターボトルやスプレーボトルなどを使い、少しずつ回数多く髪の毛に酸性リンスを触れさせる方が効果があがります。頭皮のpHもアルカリに偏ります。頭皮のpHは自然に戻るとはいえ、それまでの時間はバリア機能を失っている状態なので酸性リンスをした方が良いです。

 

 

 

石鹸シャンプーでは水道水の硬度で仕上がり感が大きく変わります。

日本は軟水の地域が多いのですが、上手くいかない方はお住まいの地域の水道水の硬度を調べてみる事も大事です。

 

幸い札幌市の水道水はほぼ軟水ですので、石鹸シャンプーはやりやすいですね。

リンク先の下の方に硬度の目安と札幌市の水道水硬度表があります。

 

 

mukorossi 奥川